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うになるかということで、かなりの懸念を持って必ず出席する。彼らに対しては、会議に出席する前に十分な準備ができるように、私の方から前もって様々な報告書を手渡しておく。一旦、この常任委員会で決定が下りると、その後の私の任務は、その決定に対するフォローアップと完遂(follow−through)ということになる。まず私が何を考えるかというと、その職員にはどういう罪があったのか、どういう悪ことをしたのかということである。次に、実際に罪を犯した、腐敗のあったよくない職員に対する罰則がどういうものであるかを調べる。もしもその人に対して与えられた罰が余りにも寛大すぎるというふうに感じると、私はハッピーではないので、そのことを官房長官に言って、より重い処置を与えてもらう。そういう形にして、できるだけ適切な改善措置がとられるように私が見ているわけである。なぜ、こういう形でうまく苦情処理が進んでいるかというと、「行政苦情に関する常任委員会」があるお陰である。私が居るからではなく、この常任委員会があるからである。この常任委員会は、非常に力があって、いろいろのことを決めていくことができる。「行政苦情に関する常任委員会」の機能は、まず最初に、国民の苦情処理システムの施策を作り上げることである。次に重要なことは、各関連省庁の長にこの常任委員会に出席させて、それぞれの苦情やいろいろな状況の具体的な説明をすることである。そして最後に、ここは非常に重要であるが、関連省庁に対して苦情の出た問題に対する是正措置を即刻とるように命令することである。私の権限はというと、私は、多くのファイルに目を通して、個人の関係職員などに面接するわけであるが、大抵の場合、答えはこのファイルの中で見つかることが多い。

われわれのこのシステムの弱さといえば、問題があるとされる職員に実際に面接した場合、そのときに嘘をつくとそれだけ罪が重くなるわけであるが、私自信にもハンディキャップがある。例えば、医療過誤というような医療に関する何らかの苦情が出た場合、私は、医師のファイルを探していろいろと情報を集めるわけであるが、そういうファイルに一体何が書いてあるのか、その医師が一体何を書いているのかというのは、非常に専門的なことが出ていて、理解できないことがある。そこで、そういう場合、私は自己の業務を完遂するために保健省の援助を求める。保健省の助けを求めてもそれだけでは十分ではないと判断したときには、私は上司に相談して、メディカル・コンサルタントを雇うことになる。

次にわれわれが最終的にすることは、年次報告を作り上げることである。この年次報告は、まず首相と内閣に提出し、首相の承認が得られてから印刷に回す。そして教授方とかに配るわけであるが、もしもそこにある記述が不十分であるという場合には、私は訴えられる場合もある。しかし、私は公務員であるので、そういうことで訴えられるということになっても、私が自分を弁護できるように政府がいろいろな措置を講じてくれるので、心配はしていない。

われわれのオフィスには、毎日どれだけの苦情があるかということからファイルを積み重ねている。そして、どれだけ毎日減っていくか、あるいは増えていくかということで、作業が捗っているか、あるいは非常に遅延しているかということを自分たちでチェックしている。

これが首相が求めているサービス基準の向上であって、私はその職に就いているわけである。

 

 

 

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